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ビジネス研究

【ビジネスモデル図解付き】レシート現金化アプリONEの現在は? 社会的にアウト?

レシート現金化アプリ「ONE」とは?

ONEとは、One Financial Inc.が2018/6/12にローンチしたレシート現金化アプリです。ユーザーはレシートを撮影することで1枚あたり10円がアプリ内ウォレットに振り込まれます。

ローンチ前から界隈で注目されていたことで想定以上のダウンロードとレシート買取が発生したため、ローンチから16時間後に一時利用停止となりました。それが話題となり、さらに多くの人に認知されることになりました。

CEOが17歳の高校生プログラマーであったこともメディアに大きく取り上げられた理由ではないでしょうか。

17歳のCEOが考えた斬新なビジネスモデルを解説していきます。

ONEのビジネスモデルを読み解く

ONEのビジネスモデルを図解する

ビジネスモデル図解 – レシート現金化アプリONE

ONEのアプリケーションからレシートの撮影を行うと1枚10円のレートでアプリ内ウォレットにキャッシュが振り込まれます。

レシートの画像データはOCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)によって読み取られ、商品購買データとして扱われます。マーケティングのためにデータを欲している関連企業に商品購買データを販売することで、資金を得てユーザーの換金に対応します。

ローンチ直後に大量のレシート買取が発生したことで一時利用停止となった理由は、取得データの販路確保が間に合わず、ユーザーの換金に耐えうる十分なキャッシュフローが無かったためだと思われます。

ローンチ直後にサービス停止に至るほど反響があったということは、ユーザーが欲していたサービスである証とも言えます。

「無価値」と思われていたレシートをキャッシュに変えた逆説の思考

逆説の構造 – レシート現金化アプリONE

レシートは多くの人にとって不要なものでした。

財布の中でかさばるし、家計簿をつけていないかぎり後から見返すことも無いからです。ほとんどの場合、私はレシートを受け取らないかその場で捨ててしまいます。

One Financial Inc. CEO山内氏は、不遇なレシートに「購買データ」としての価値を与え、企業がそのデータを購入するという構図を作り出しました。

昨今、AI(機械学習)の発達によりビッグデータをマーケティングに活用する企業は増加しています。それと同時に「食糧不足」に陥っているAIも多く存在しています。つまり、学習のインプットになるユーザーデータが足りていないのです。

飢餓状態のAIを抱える企業へ購買データを提供することで、ONEは「レシートを現金化する」というビジネスモデルを成立させています。

ローンチ直後にサービス一時利用停止、ONEの現在は?

DMM Autoとの提携により一部サービス再開

ローンチした6/12に一時利用停止となったONEは、6/18にDMM Autoと提携して一部サービスを再開させました。サービス一時停止から一部再開までのスピード感には堀江さんも驚いていました。

https://twitter.com/takapon_jp/status/1008648701290545152

しかしサービス内容は「ガソリンスタンドのレシートを1枚100円で換金する」という限定的なものでした。ONE本来の売りであった「どんなレシートも1枚10円で買取」という機能はしばらく復活せず、ユーザーからは嘆きの声が漏れていました。

レシート以外の画像データを現金化…社会性が問われる

その後もしばらく、ONEは様々な画像データを換金できるキャンペーンを打ち出しました。

しかし、いずれのキャンペーンも「社会性が欠如していた」ため、多くのユーザーが離れていったはずです。

https://twitter.com/onebyof/status/1021616992485236736?s=21
保険証券の画像データ買い取りに関するONEのツイート

https://twitter.com/onebyof/status/1037648038385266690?s=21
東大生学生証の画像データに関するONEのツイート

その他にも何種類かキャンペーンとして画像データの買い取りを行いましたが、保険証券と東大生学生証の2点に関しては著しく思慮が足りないと、正直に思いました。

それは上記データが個人情報に他ならないからです。

個人情報を買い取るとなれば金額如何の問題ではなく、社会性の欠如したサービスとして確実に信用を落とします。

「サービス開始当初は期待されていた」×「蓋を開けると当初のサービスとは異なっている」×「社会性が欠如している」という合わせ技により、Twitterで相当叩かれたのも自然な流れだと思いました。

「多くの人が『健全だ』と思える社会性」は「革新的なビジネスモデル」と同じくらい、事業の成功に欠かせない要素です。

今やtwitterなどのSNSで悪い評価はすぐに拡散されます。それに「成功しているヒト・会社・サービスを叩きたがる」人は一定数いるものです。

健全なサービスであれば多少の批判が拡散してもリテラシーのある人たちのおかげで食い止められることができます。しかし、社会性の欠如したサービスを庇う人はそうそういないでしょう。

まとめ

購買データの買い取りから始まったONEは紆余曲折ありながらも現在は「どんなレシートでも買取」を再開しています。

https://twitter.com/onebyof/status/1039717768516403200?s=21
どんなレシートでも買取再開に関するONEのツイート

しかし、すぐに1日の買取上限に達してしまうようです。買取上限の具体値やリセット時間などの説明責任を果たしていないため、ユーザーからは当然不満の声があがります。

https://twitter.com/rinrin0912/status/1040254423291781123?s=21
@rinirin0912さんのツイート

斬新なビジネスモデルであっただけに、運営がうまく回っていないのは残念なことです。

より運営体制の整った類似後発サービスが出てくるため、ONEは厳しい状況にあると言えます。一度失った信用を取り戻すことは非常に難しいので。次のイノベーションを期待しています。

海外の購買データ事情

「レシートから購買データを集める」というサービスは海外にも存在するのか?と気になり調べてみたところ、そもそも購買データを得るためにレシートは必要がない国がありました。中国です。

中国はキャッシュレス決済が日本より遥かに進んでおり、最大手Alipayの利用ユーザーはなんと8億人です。Alipayで支払った商品の購入データは全て蓄積され、ビッグデータとして活用されています。

わざわざレシートを撮影する必要もありませんし、そもそもの利用ユーザー数、すなわちデータ量が桁違いです。

日本とあまりにも状況が異なる中国のビジネスに興味がわいたので、次回はAlipayのビジネスモデルについて記事を書こうと思います。